へそ石の研究2(2001年2月25日)

 某所で、採取したへそ石をカットする事ができた。また岩石薄片も数枚制作したのでその結果をここに記録します。

1.へそ石の断面

 ここに載せるのはサンプル1とサンプル4です。典型的なへそ石二つを選び、縦方向(へその穴と平行)と横方向(へその穴と垂直)に切断した。サンプルH-01は縦方向でサンプルH-04は横方向。

 

サンプルH-01の縦断面(スケッチ) 

サンプルH-01の縦断面(写真)

 

 

サンプルH-04の横断面(スケッチ)

サンプルH-04の横断面(写真)

 

 断面からへそ石の穴は上から下に貫通していること、貫通した穴を中心とした円形をしていることが確認できました。また、H-01、H-04には中心に不透明鉱物が集積してます。サンプルH-03には不透明鉱物は観察できませんでした。また、中心の不透明鉱物は今のところ何かわかりません。


2.顕微鏡で見たへそ石

 貫通している穴はほぼ円形で、下の顕微鏡写真(単ニコル)のように境界は明確ですが不透明鉱物以外に構成物質に大きく変化はないようです。不透明鉱物が境界を沿って存在しています。白い部分はカルサイトです。 

H-04(40倍)

 左が中心側で境界は明確である。白い部分はカルサイト

H-01(40倍)

 左が中心側。境界付近に不透明鉱物が集積している。白い部分はカルサイト。

 倍率を上げても鉱物粒は観察できません。しかし、珪藻と思われる化石が多数確認できます。 写真はサンプルH-04の薄片から撮影したものです。

 H-04 (100)

H-04(400)

H-04(400)

1:Coscinodiscus marginatus Etrenberg(230) 1959金谷
2 3 :Denticura lauta Bail(1000) 1959金谷

 

 珪藻(Diatom)の同定はとても素人には出来ません。同定は今後の課題として明瞭に撮影できたものを取りあえずここに載せました。少なくともいくつかのへそ石には珪藻化石が多数含まれていることがわかりました。尚、図鑑から(勝手にすんません!)コピーした図版を載せます。少なくとも似ていることだけ確認してください。


3.ここまででまでわかったこと。(上下につながった穴(内部は充填されている)をへそ穴と呼ぶ)

(1)へそ穴は上下につながっている。

(2)へそ石をへそ穴に垂直に切ると断面はへそを中心とする円である。(もっと簡単な表現はないか!

(3)へそ穴の中心部は不透明鉱物で充填されている場合がある。

(4)へそ石には多数の珪藻化石が含まれてている。


4.今後の予定(2/25/2001現在)

(1)現在持っているサンプルは7つ。外形で分類した円柱型と洋梨型の薄片を作ったので、扁平型の薄片を作り観察すること。

(2)不透明鉱物(炭素かな?黄銅鉱かな?)の同定を行う。・・鉱物顕微鏡か・・・難!

(3)教育センターのホームページで、久留和海岸の子産石の写真を発見・・そうだここも葉山層群!ということで、観察に行かなければ!子産石も信仰の対象となっているらしいし(「子安の里」だってこの石が由来かも・・超いいかげんな憶測)。

(4)サンプル採取は野比海岸に流れる込む川周辺に集中している。何処で採取できるか今後も注意して海岸を散歩(犬と)する。特に雨天後の川底は要注意か。

・・・盛りだくさんではある。

 


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